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L.Aでの独り言 / 古賀和憲 - 2014-12-05 20:00:18
この景色と波の音が心地よすぎて、何度もベランダの椅子に座ってしまう。
そしてアメスピを吸う。

Jeanneは2度も僕を海の向こうから呼んでくれた。
本当に感謝しています。

お互い言葉がわからないけれど、何とか意思の疎通はできている。
メイビー!

英語、ホンマに学ぼうと思う。

ジニーも、旦那さんのフィリップも、僕が話す訳のわからない英単語の羅列から、嫌な顔一つせず、意図を汲み取ってくれる。

彼らは何故か僕のギターを求めてくれる。

ロサンゼルスには星の数ほど素晴らしいギタリストが居るだろうにだ。
コレはもはや世界の七不思議の一つだ。
本当にありがたい。

昨年、Jeanneが引き合わせてくれて、奇跡の共演をさせてもらったベースの神、エイブラハム・ラボリエルの言葉がいつも心にある。

昨年のL.A。
LIVEと録音が終わってから、僕はエイブに訪ねた。

「あなたはこのL.Aで世界トップのスタジオミュージシャン、セッションミュージシャンとして君臨し続けてきた。あなたが考える1番重要なことはなんですか?」

エイブは考える間も無く即答した。

「ミュージシャン同士、助け合う心を持つ事だ。相手に足り無いもの、それが自分に備わっているものならば、補ってあげれば良い。愛を持って音を奏でる事が1番重要だよ」

「フロントマンは花だ。サイドマンの僕らは水や土。
花は自分が1番綺麗に咲き開く事ができるタイミングで咲けば良いのだよ。我々はそのタイミング、息遣いを常に汲み取って、花を綺麗に咲かせてあげたらいいのだよ。」

百戦錬磨。究極に厳しくシビアな現場を何千とくぐり抜けてきたエイブの言葉。
テクニック、知識を身につける事などは当然の事として、最終的にエイブが1番大切だと言ったのは愛だった。

僕はまだまだ彼のように、愛に溢れた演奏はできていないなぁ。

ただ、その言葉は常に僕の中にあるつもり。

相手をけなしたり、
ねじ伏せたり、
己を見せつけたり、
威嚇したり、、、
その先に素晴らしい音楽は存在しない。
そんなミュージシャンは生き残っていけない。

エイブラハム・ラボリエルが言うのだから、そうだ。誰も否定できない。

日頃の己の振舞い、奏でる音を改めて振りかえると、どうだろうか??

反省、改善すべき点が山程あるなぁ。


僕の英語は最悪に下手くそだ。
文法も発音もメチャクチャ。
単語も全然知らん。無知。勉強不足。経験不足。

けど、不安ながらも、恐る恐る話してみる。

ジニーもフィリップも愛を持って、僕の伝えようとする意図を汲み取ろうとしてくれる。

実は今回のツアーでは初日と二日目に、僕は英語で挨拶とM.Cをした。
通訳として録音とカタリナのLIVEに駆けつけてくれた友人ドラマーのMisaiがカンペを作ってくれたのだ。いい奴だ!

短い文章ではあったけれどもカンペをガン見しながらも英語で話してみた。
お客さんに通じたのかどうかは別として、みんな笑顔で拍手をくれた。

なんて、ありがたいことだろう。
ほっと、安心できる。
そしたら、もう少し話してみようと、伝えてみようと思える。
がんばってみようと思える。

だから、少しづつ意思の疎通がでできるようになって、人間同士良い関係が生まれる。

音楽も同じことではないか?

エイブラハムも僕のソロを満面の笑みを浮かべながら一緒に演奏してくれた。

わけのわからん日本人が突然やってきて、幼稚なソロを弾いているのにも関わらず。

僕はとても安心して演奏できた。

全ては同じことだ。

よくよく周りを見渡すと、僕の周りには愛に溢れた素晴らしい人が沢山いるではないか。家族も、友達も、先輩達も、師匠も、弟子達も。日本人もアメリカ人も。

相手に足りないものを、自分が持って居るならば、補ってあげれば良い。
また、自分に足りないものがある時、誰かが優しく補ってくれる。

その優しさに気がついた時、自らも成長しようとする。

この旅で、忘れかけていた大切なものを再確認する事ができた。

海風と自分の文章に、少し肌寒くなってきたのでそろそろ寝るとしよう。。。


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